残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


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おはようございます またまた蒲鉾になっていた時帰呼です。

昨日は 早朝から 思い立って部屋の掃除を始めてしまい
いろんな すっかり忘れていた懐かしいガラクタが出て来て びっくりしてしまいました。
それにしても、よくまぁ こんなに溜め込んだものだと 我ながら感心。

しかし 掃除の最中って言うのは どうして本を読んだりして すぐに手を止めてしまうのでしょうね?

なんだかんだで 現実逃避しているのかもしれません。

さて、SSの【夏祭り】の続きです。やはり、まだ完結していません;;;

あまりズルズル長くなってしまうのも何なんですので
なんとか そろそろ完結させるように頑張ります。




******




夜の闇の中に ぼんやりと露店の灯りが見えてきた。

手にした団扇を パタパタと扇ぎながら、カラコロと下駄の音をさせて歩く。
普段、履き慣れてないから 少し鼻緒が食い込んでちょっぴり痛いけれど
なんだか 大人っぽくなったみたいな、誇らしいような、恥ずかしいような気分がして心地よい。

今年も お母さんに浴衣を全部着付けてもらったけれど、来年こそは…
いや 数年の内には きっと自分一人で着られるようになりたいな。
 

思えば、こうして友達と 隣町のお祭りに遊びに出かけるのは数年ぶりだ。
高校受験が近付いた中学三年の年は さすがにお祭りどころじゃ無かったから
それからの二年間は けして疎遠になった訳ではないけれど
なんとなく、まぁ良いかな…って気分になって つい行きそびれていたんだ。


だから、久しぶりに尊から「お祭りに行かない?」と 誘いを受けた時は 少しびっくりしたけれど、本当に嬉しかった。


民家の窓から漏れてくる暖かい光りに浮かび上がった 先だって歩く尊の髪は いつの間にか随分長くなって
浴衣に合わせて結いあげた髪をほどけば きっと腰に届く位にはなっているだろう。
そして、今日初めて見る尊の浴衣の柄は藍色の小柄の花をあしらった ちょっぴり大人っぽい雰囲気だ。
それに引き換え、私と言えば 少し前なら可愛くって大好きだったけれど
今となっては なんだか子供っぽい気がする明るい花柄の浴衣だ。 

二年の間に いろんな事が すっかり変わってしまった。
そう思うと、寂しいような 悔しいような複雑な気持ちがした。


「ほら 祭囃子が聞こえる」

尊が 振り向いて言った。

祭囃子と言っても 本当の祭囃子じゃない。
露店が立ち並ぶ街路の先には ちょっとした公園があって、其処で商店街のお祭り実行委員のおじさんたちが
録音された物を流しているだけなんだけど、やっぱり無いよりは良いんじゃないかな。
いつもは クールな尊が こんなにはしゃいだ顔を見せるくらいなんだから
お祭りの雰囲気を盛り上げるのに 一役かっている事はまちがいないようだ。 

でも 学校以外では しばらく会わなかったせいなのか 尊の振る舞いが少しばかり不自然な気もする。

「ねぇ 何かあったの?」

「えっ どうして?」

尊の笑顔が 歪んでいる。

そう思えたのも 夜の闇をオレンジ色に染める露店の店先に揺れる電球のせいかもしれない
次の瞬間には 尊の顔にいつものちょっと寂しげではあるけど 優しい微笑みが戻っていた。



たこ焼き屋さん、金魚すくい、りんご飴、

何年経っても 特に変わり映えのしない露店ばかりだけれど、どうしてこんなにワクワクするんだろう?
沢山の人の流れの中を 小学校くらいの子供たちが笑い声を上げて駆け抜けてゆく。
私たちも あんな頃が有ったんだよね…尊。


幾つかの露店を覗きながら通り過ぎた時に それまで嬉しそうに笑っていた尊が 唐突に言った。

「そうね 何も無かった訳じゃない…」

電球の灯りを背に 振り向いた尊の表情は逆光の影に隠され よく見えなかったけれど
その頬を流れる 一粒の涙がキラリと光って流れ落ちるのは見逃さなかった。

「ねぇ…」

泣いている尊を見るのは もしかしたら付き合い始めてから 初めてかもしれない。
理由を聞こうとしたけれど、言葉が喉の奥で詰まってしまったように出なくなってしまった。
それは、その涙に驚いたばかりじゃなかった。
悲しみ色に染まった尊の 儚く それでいて不思議な美しさに息を呑んでしまったからだった。


「よう! 久しぶりだな!!」

突然、威勢の良い声が聞こえ、びっくりして 二人が揃って同時に振り向くと
其処には 露店の暖かい光りの中に立つ懐かしい顔があった。

捻り鉢巻きに法被姿 相変わらずの馬鹿みたいに陽気な笑顔。

「片桐ぃー!!」

途端に尊にいつもの笑顔が戻り、大きな声で その男の子の名を呼んだ。


私達のすぐ後ろで 腕組みをして仁王立ちしていたのは
中学で一緒だった 片桐 源太郎だった。



 to be continued ……
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 コメント
この記事へのコメント
実話ですか?
2010/09/06(月) 09:40 | URL | 茶々 #IBIMlqEE[ 編集]
> 茶々さまへ

コメントをありがとうございました。

もちろん、実話では ありませんが
自分のこれまでの体験した光景を 総動員して書いています。

まだ未完成ですが、 少しでも楽しんで頂けたなら本望です。

もし宜しければ またご訪問下さい。
よろしくお願いいたします。ありがとうございました(*^^*)

2010/09/07(火) 03:33 | URL | 時帰呼エトワール #-[ 編集]
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