残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


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おはようございます

珍しく提示で帰宅したので なかなか書けなかったSSの続きを頑張って書いた時帰呼です。

基本的に 私のSSは頭の中に全部入っているので UPする当日に書いているんですよねww
だから、いつも書くのが遅いのです すみません;;;

ちょっと、書くだけの心算が いつの間にか 書き出してから一カ月経ってしまいました。
遅筆にも 程が在るってもんです。 本日は なんとか、オチまでもう少しのところまで書けましたが 実は あと少しの所で寝落ちしてしまいました。  反省してます(泣)


あと 本当に もう少しなので頑張ります

よろしければ 以下へお進みください。

 < うーーーーい。(ォライッ、ォライッ





******



「痛っ!!」

「どうしたの?」

片桐との話しに夢中になっていた尊が 驚いて振り向いた。
話し相手の片桐も 初めて私の存在に気付いたような顔をして 私の顔を凝視している。

「ううん ちょっと なんだか変な感じが…」

どうしたんだろうと 恐るおそる そっとうなじに手を触れてみた。
さっきは鋭い痛みを感じたけれど、今は重い物が圧し掛かっているような感じがする。 
けれど、私は 楽しそうにしていた二人に悪いと思って、何でも無いという風に なんとか笑ってみせた。

「大丈夫?」

心配そうな顔で尋ねる尊を見返す。

「大丈夫 ごめん…」

そう言いながらも その感じは ますます強くなってきて…



「志村!うしろ!!」

尊の後ろから 片桐が 目を大きく見開いて叫んだ。



******



誰かが 大きな声で名前を呼んだ。

(誰の名だろうか?)



はたはたと何かの音がする。

ほてった顔に 涼しい風を感じ うっすらと眼を開ける。


とたんに 降り頻る蝉の声が 私の鼓膜を振るわせた。
まるで 電源を入れた途端に 大音響で鳴り響きだしたステレオのように。

その騒音に耐えきれずに 眉間に深い皺を寄せ、再び瞼を ぎゅうっと閉じた。

「気付いたみたい…」

尊の安堵した声が聞こえ、もう一度 私はゆっくりと眼を開けた。


初めに、焦点の合わないカメラの写真みたいな私の視界に入ってきたのは 尊の寂しげに微笑む顔だった。

その後ろには 覆いかぶさるように濃い緑の葉っぱでいっぱいの太い枝を廻らせた 背の高い木々…
そして、その中心にポッカリと口を開けた高い青空と… うっすらと刷毛で描いたような白い秋の雲。


「ねぇ、誰か 私の名前を呼んだ?」
 


通学鞄から取り出したんだろう…、セルロイドの下敷で私の顔を扇いでいた手を止めて 尊がニッコリと笑った。
私の後頭部に 尊の膝枕の柔らかい感触と 暖かい体温が伝わってくる。

いつの間にか、神社の濡れ縁に横たわり 幼馴染の尊の膝を枕にしている自分の今の状況を しっかりと飲み込めないまま 私は、尊に尋ねた。

だって、ついさっきまで尊と二人で連れ立って 隣町のお祭りに…

そして…、 そして、 たしか……


「どうやら、もう大丈夫みたいだな」

不意に、男の子の声がして驚いた私は がばりと跳ね起きた。 見ると、昔と変わらず馬鹿みたいにニコニコと笑っている片桐が 尊の向こう側に座っていた。


「どういうこと? これって!?」

あまりにも、吃驚し過ぎて、私は そう言ったきり声が出ない。 尊と片桐は、苦笑いしながら お互いの顔を見合わせている。


「どう言って、説明したら良いのかな…?」

「口で言って説明しても 理解出来ないだろうと思うぜ」


いったい何の事? どうして、私は此処に? 
今の今まで 夜の闇の中 裸電球の暖かい光に浮かび上がる露店が立ち並ぶ夏祭りの中に居た筈なのに いつの間にか 神社で尊の膝枕で寝ていて、

そして、そして、なんで 夏祭り会場の露店で店番していた筈の片桐が此処に?
(もしかして、膝枕で寝ていた私の寝顔を ふたりで ずっと見ていたの?)

私は、私の頬が 羞恥に赤く火照るのを感じた。
  

その様子を見て苦笑していた片桐が どうしたら良いのか判らず戸惑っている私に向き直り、今まで見たことも無い真面目な顔になると じっと瞳を覗き込みながら言った。

「いつもの志村には見えないけれど、ちょっとだけ尊の力を貸してやれば 今なら見えるんじゃないかな?」

「…うん、そうかもね」


尊は そっと私の右手を 両手で包み込むように握って言った。

「ねぇ、亜紀子 怖がらないでね…、怖がると香澄が 消えちゃうかもしれないから…」


(香澄…? 香澄って 鈴木香澄のこと?)


真正面から 私の眼を見ていた尊の視線が ついっと逸れ、 階段の下の一対の狛犬の片一方…『あ・うん』の『あ』の方の狛犬の台座の横を指し示す。
初め 私には何も見えなかったけれど、眼を眇めて良く見ると 其処には ゆらゆらと揺れ動く蜃気楼のような影が蹲っていて、
時折 映りの悪いテレビの画面が一瞬鮮明な画像を結ぶみたいに 人のカタチをとるのが見えてきた。

その人影には 確かに見覚えがあった。



「大丈夫… 大丈夫だよ」

優しく囁く尊の言葉が 私に向けて言った言葉なのか それとも おぼろげな人影に言ったのかは判らなかったけれど、多分 其の両者に向けて囁きかけたのだろう。


「怖い、怖いよ」

震えながら蹲っていた人影が そう言いながら顔を上げると、今まで、文字通り幽霊みたいに実体感のなかった影が 急にくっきりと人の姿を取り戻した。


「香澄…?」

私も 震えだしそうな声をなんとか抑えて、尊のように出来るだけ優しく 幼馴染の香澄に囁きかけた。


 香澄は泣いていた…。

蹲ったまま 私達三人を見上げる香澄の大きな瞳から溢れ出した涙は 滔々と頬を流れ落ち、
その幾粒かは 小刻みに震えている唇の前に握りしめた両手の甲を濡らし、幾粒かは 香澄の華奢な顎の先から滴り落ちて、地面の上に黒い斑点を描いた。


「香澄なの?」

私は、もう一度 そっと尋ねた。

 こくりと頷く香澄。


「ごめんね 亜紀子」

香澄が 囁くように言った。



to be continued……


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