残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


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こんばんわ(^0_0^)

春コミ、サンコソ8へ向けて 原稿執筆中の時帰呼です。

とりあえず、少しだけ 春コミの新刊『前奏曲』に掲載予定のSS【贖罪を買いに…】の冒頭部分をアップします。





  【贖罪を買いに…】


ため息をひとつ



(はぁ……)


客足は 鈍る一方ダア。


なにが 悪いのか おらの鈍い頭では、さっぱりわがんねぇ…。


出来るかぎり かき集めた新鮮な食材、朝一から懸命に磨き上げたピカピカのテーブル、その上に飾った早朝から眠い目を擦りながら摘んで来た可愛い小さな白い花。


「…どうしたら良いんだべ…? おらには、さっぱりわがんねぇ…だ」


今朝から何度目かの同じ言葉を呟いた少女は、カウンターに頬杖をつきながら ぽっかりと開いた戸口からそろそろ春めいて来た店先を ぼんやりと眺めていた。


(はぁっ……)

こうしていても、埒があがねぇ、
重い腰を上げ、厨房に向かう。

いい加減に仕込みを始めないと 開店時間に 間に合わねぇだ…。


だけんど、一生懸命 仕事をしても、なんとか集めた貴重な食材を腐らせちまって、ほとんど全部 捨てるだけだぁ。



思えば あの頃は ホントに良かっただ。

どんなに忙しくってこき使われても、しくじって皿を割っちまって、女将さんに

「なぁーに やってるんだい! ホントに 使えない娘だねぇ!!」

と怒鳴られても、【黒狐亭】には 陽気なお客さんの笑い声と活気が溢れていた。


たまには、不平を言うお客さんも居たけんど、女将さん特製のグーな肝臓料理を一口食べれば たちまち上機嫌になっちまっただ。

どしたら、あんなに美味しい料理をつくれるんだべ?



ふぅっ…。


何度目か分からない溜め息を もう一ツ ついた時、キィッ…と乾いた音がした。

少女が 音のした方へ目を向けると、いつの間にか入って来ていた お客さんが 客室の椅子に腰掛けていた。


「旨いモノを食わせてくれ…」

店の片隅、 麗らかに差し込む初春の陽光も届かない 薄暗いテーブルに座った その客は、一言 そう言うと ニヤリと笑った。


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