残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


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こんばんわ(^0_0^) サンこそが終わった後 まだ魂を半分Pioに置いて来てしまったような気がする時帰呼です。

さて、本日は サンこそレポートは一休みして 久しぶりのSSをアップいたします。

サンこそ会場で 私の文章が好きだと言って下さった人にも 言われたのですが、最近 さっぱり文章を書いていませんでしたね;;; 反省しています。

今後は これまで以上に頑張って文章も書いて行きたいと思います。
  
ところで、ぜひ お礼も兼ねて 訪問したいのですが、そのお客さんのヤフーブログが 見つかりません(泣)
『マープル』で検索すれば すぐに見つかりますよと教えて戴いたのですが…;;;
こんなことなら、ブログのタイトルを きちんと聞いておけばよかった;;;;;

そんなわけで、ご本人様か お心当たりのある方がいらっしゃいましたら 御一報下さると助かります。
出来ましたら、コメント欄か拍手コメントで お教え下さいませ。 お願いいたします。


さて、本日 アップするのは 『生と死を別つ境界の古井戸』を元にしたSSです。
内容は どシリアスですが、残念ながら井戸子ちゃんは登場いたしません。

その代わりと言っては何ですが 思わぬ人が登場しています。

さて、誰でしょう?



では……、心の準備の出来た方は どうぞ以下へ お進みくださいませ。










【モリの子供たち】





吹き飛ばされるように 雲が流れ去ると、ピカピカの銀貨のように輝く満月が じっと見下ろしていた。

そんな明るい月夜でも 森を分厚く覆う枝葉が 青白い月光を遮り けして地上へ届くことはない。

この森が シュバルツバルト 黒き森と呼ばれる由縁だ。


闇に包まれた真っ暗な森には、妖精が舞い踊り 小鬼が跋扈すると村の大人達は言う。

悪戯な子供を脅す為の馬鹿げた作り話だと分かってはいても、 暗い森の闇の中には、明るい陽の下では 誰もが信じようとしない伝説が生きる余地があるのだ。

彼等この世ならざる者=現し世には存在せざる者にとって 深い闇の中は慈悲深い母の腕の中に抱かれているようなものなのだから。


「お兄ちゃん。待ってよ!」

「グズグズしてると、森の魔女に食べられちゃうぞ!」

人気の無いはずの森に 子供達の声が響く。

「 待ってよ! 待ってってば!」

月光も 星明かりも 日光も届かない 普段 立ち入る者の無い森の下草は延び放題に延び、

幼い妹が 歳の頃 ふたつみつ上の兄を追い 懸命に疾けて行く足の下で 地面を分厚く被う苔が まるで 折り重なった死体を踏み締めるような湿った音を立てていた。

いや、これは けして大袈裟な話しや 単なる比喩ではない。

それと謂うのも 人がまだ この黒き森が拡がるゲルマンの地に 誰ひとり住むことのなかった 遥か昔から 、夥しい数の旅人や狩人たちが 何モノかの声に呼び寄せられ 迷い込んで 命を落として逝ったのだから。この森の至る所に屍体が 層を成して埋まっているとも言えよう。


遠くで 腹を減らした狼の声がする。

別に 食人鬼(グール)が この世に居なくても 森がけして安全な場所ではないことの証拠だ。

生い茂った下生えの中には 逃げ惑う鼠や それを追う狐、森の闇の中 無音の翼を持つ帝王 梟が 銀貨のごとき双眸を光らせている。

ここでは 強き者が 弱き者を捕食し、弱き者は 強き者を欺くことで生き延びるしかないのだ。

此処は そうした お伽話など必要としない 厳然たる弱肉強食の法則の世界。

もっとも 夜でも ランプの明かりが絶えない大きな町の中でさえ、 弱き者が安穏と眠りを貪ることなど叶わない昨今なのだから、森の中だろうが 町の中だろうが大差はないと言える。


とは言え、 この夜中に 森に遊ぶ子供など 尋常ではない。 ましてや この辺りには 樵の小屋さえ無い 黒き森の最奥部なのだから。

「待ってって言ってるのに! お兄ちゃんの意地悪!」

何度目かの妹の呼びかけにも 意にかいさないように どんどん先を急いでいた兄が不意に立ち止まり、妹は あまりに突然だったから 暗闇のせいもあって 兄の背中におもいっきりぶつかってしまった。

「なぁによ! お兄ちゃんたら!」

妹は ぶつけた鼻の頭を撫で摩りながら不平を言うが 兄は 無言のまま 目の前にある奇妙な物を指し示した。


それは、綺麗に大きさを揃え切り出された石を 丸く積み上げて創られた 古びた井戸だった。

(創られた?)

それは 本当に奇妙な事だ。

この界隈に 過去 村が在ったなどという伝承も事実も無い。 だというのに、明らかに人の手によって作られとしか思えない石積みの古井戸が 忽然と この古い森の奥に存在するとは…。

「やっと、見つけた」

兄は キラキラと目を輝かせて 妹を手招きする。

妹は 何処か常とは違う兄の表情と不気味な井戸を見比べ しばし躊躇していたが 己の好奇心のせいもあって 一歩 二歩と近づき、 兄に手を取られると 少しだけ安心して 促されるまま 古井戸を覗き込んだ。

もとより 何も見えるはずなど無い… はずであったが

「もっと よく見て御覧」

兄は 妹の両肩に手を置き 頬が触れるほど顔を近付け言った。

なるほど、よく見ると 何も無い暗闇だと思っていた漆黒の底に タールのような闇が ユラユラと揺れている。

よくは見えないが、水面のようだ。 だとすれば、涸れ井戸ではなく 今なお充分に使える井戸なのだろう。

「これが?」

妹は どうしたことか 黒い水面から目を離せないまま 兄に尋ねた。

「そうだよ。 ほら、もっとよく見て…。 何か見えないかい?」

そう言われても、こんなに暗くっては 何か見えるはずもない。 だのに どうしても 目が離せない。

暫く 目を凝らして見ていると 揺れる水面に 映る黒い影がふたつ。 別に変わった物が見えたわけじゃない。単に 自分たちの影が映っているだけ…。


「なんだ、ツマラナイ…」
そう思った途端、 背中をドンッと押され 妹は 声を上げる間も無く 真っ逆さまに井戸に落ちてしまった。


バッシャーン…


長く 尾を引く水音。





兄は 井戸の縁に両手を置いて 漆黒の闇の底に揺れる水面を じっと見ていたが、やがて…。





くちゃりっ くちゃりっ…
苔を踏み鳴らす音が 近づいてくる。

兄は 恐ろしくて 振り向く事が出来ずに 井戸の石積みを掴んだ指先の爪が割れ 鮮血が流れ落ちるのも気付かずに ガタガタと震えていた。

すぐ背後に 何者かが立ち うなじに氷のような冷気が感じられ、魚が腐ったような臭いがする。


兄は 吐き気を覚えながら ぎゅっと両目を閉じた。

すると、背後の異形の者が そっと兄の肩に手を置きそっと耳元に囁いた。

「ホレッ…! 見イ~つけた!」





何処を どう歩いたのか…

陽が昇り、梟が眠りにつき 安心した小鳥が囀り出す頃、 小さな女の子が 傷だらけの足を引きずりながら 黒き森から街道へと ふらつきながら歩き出て来た。

その姿に 最初に気付いたのは 旅歩きの歌唄い。

すっかり衰弱しきった女の子は 彼に拾われ、近隣の村まで抱き抱え運ばれ 修道院へと預けられた。


一時は、生死をさ迷いながらも、一命を取り留めた少女は奇跡的に回復し、この修道院に身を置くこととなった。


しかし、折悪しく 旧教と新教の争いが激化し やがて同じ神を信ずる人同士が相争った この時代、戦火に巻き込まれた修道院が打ち壊された後、

焼失した修道院の名簿に記された 歌唄いが少女に付けた『黒狐』という奇妙な名も いつしか 忘れ去られてしまい、

一人の身無し児の消息など、いつの間にか 歴史の闇の中に紛れ、誰一人 気にかける者は居なかった。




 【モリの子供たち】  了




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 コメント
この記事へのコメント
わッわッわッ

ごめんなさいごめんなさい
罪を侵したのはわたしで―す―

いつも拍手のみで、なかなかコメントを残す勇気がございません 

サンホラオンリー大変にお疲れ様でした 

今朝、てか、深夜に、ようやく記事をアップしました…
なんかホントに駄文でなんかこうッ…  

穴があったら掘りたい気分で …


゜マ~プル。で検索して頂ければ



 よろしくてよ 


失礼致しました    
2011/05/09(月) 23:06 | URL | ゜マ~プル。 #-[ 編集]
>゜マ~プル。さんへ

御訪問&コメントをありがとうございました。
たびたび拍手を下さっていたのは゜マ~プル。さんだったのですか。 ありがとうございます。

サンこそでは たいへんありがとうございました。

勿論 去年の夏コミでお会いしたことは 鮮明に覚えていますよww
その節も ありがとうございました。
゜マ~プル。さんの御言葉が とっても励みになりました。

今後とも 宜しくお願い致します。

P.S.
次回 あびすのお茶会開催の檻には もしご都合が良ければ ご参加頂けると嬉しいです。

2011/05/10(火) 04:22 | URL | 時帰呼 #-[ 編集]
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