残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


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おはようございます(^0_0^)

昨日のSSへの拍手コメントを ありがとうございます。 励みになります。
コメントレスは この記事の追記にて…。


昨日 アップした【片見月】ですが 時間が無くて前半だけアップするつもりだったために 前篇とタイトルに在りましたが 最後までアップできたので 一応 あそこまでで完結です。 ごめんなさい。

実は 【片見月】は昨年九月に アップするつもりで書きかけていた季節ネタSSでしたが、最近 パソコンの片隅に眠っていたのを思い出して 書き上げた物です。 私のパソコンと頭の中には 沢山の書きかけSSが眠っているのです。 一日も早く 檻の中から解放してあげないといけないと思ってはいるのですが 作品に対する移り気と遅筆をいかんともする事が出来なくて なかなか形に出来ていませんが がんばっていきます。

今日 アップするのは またもや以前のサイトで アップしていたSSですが。 ミュロスさんとエレフの二人旅はなしなので 再アップしておきます(手抜きで すいません)






【路傍に咲く花】



「おおぉ~ぃ エレフゃ」



湿り気をおびた風が吹きだし 雲が吹き飛ぶように流されて行く。

遠くの山々の向こうでは 稲光が瞬き 天上の神々が 不機嫌そうな唸り声をあげていた。

 ・・・ 嵐が近いのだ



いつもならば ミュロスを置いて どんどん先に行ってしまうエレフの足取りが 眼に見えて 遅くなっている。


遠雷が鳴り響くたびに その場に氷付いた様に立ち止まり、不安そうに空を見上げる その顔には 普段のやんちゃな少年には 似つかわしくない表情が浮かんでいた。

それは 単なる畏れとは違う 何かが伺えたが、その時の ミュロスには それが何か分らなかった。


「どうしたんじゃ? エレフ 怖い訳でもあるまい 雷神様の領域は まだ此処には及んでないぞぇ」

「へっ! 怖いもんかよ! もしかして雲の間に雷神の姿でも見えないかと 思ってただけさ!」

そう言いながら エレフの紫眼は 暗くなりつつある天空を キッと睨み付けていた。 あの不可思議な表情を湛えたままに・・・


「ふほほ 威勢のいいことじゃ けれどもな エレフや 少し急がねばいかんぞぇ。 神々の中でも 雷神の脚は 俊足じゃ、うかうかしていると 雨神風神を引連れ あっという間に 此処まで遣って来て わしら二人とも ずぶ濡れじゃ。 今のうちに ほれ!この先に在る 村に逃げ込むことにしよう」
    

*****


ガタリと音をさせ 壊れかけた戸を引き開け 廃屋に飛び込むと同時に 天の底が破れたかのように 凄まじい豪雨が降ってきた。

「間一髪というやつじゃのう ほっほっほぉ 雷神様もさぞや悔しがっておる事じゃろう・・」

その時 まるで獲物を逃した獅子の咆哮のような 凄まじい雷鳴が響き渡った。

「おっと 迂闊なことを言うものではないな ほっほっほぅっ
神は 天上から 我々人間の一挙手一投足を 全て御覧になっているのだからのう」



(それにしても・・・)



ほんの二年前に 此処を訪れた時には 人々の笑いが溢れ ささやかな暮らしぶりながら 幸せに包まれた平和な村だった。

それが今では 国家同士の争いに巻き込まれ 誰一人住まぬ廃村と化していた。

庶民の生活など 少しも考えもせぬ愚かな者どもの 尽きる事の無い欲望が 果てしなく繰り返される戦を生み続けるのだ。 終には 己の身を その戦火に焼き尽くされるとも知らずに・・・



「お師匠 ・・・」



エレフが 指し示す先 荒れ果てた部屋の片隅には 白い小さな骨と それに折り重なるように大人の骨が倒れ臥していた。

「すみませぬな・・・ 今夜一晩 泊めさせていただきますぞ・・・」

老人は そう呟くと 胸に手を当て 死してなお 仔を護ろうとしている親と幼い仔の屍に 黙祷を捧げた。



*****



パチパチと 薪の弾ける音

揺らめく焔の明りに ゆらゆらと揺れる二人の影

夜半を過ぎても 家の外では 相変わらず閃光が煌き 雷鳴は轟き 土砂降りの雨が 降り続いている。

先程から グルグルとふたりの腹の虫が合唱をしていたが 今宵 一片のパンさえ無かった。

一年程前 ちょうど今晩ような激しい嵐が過ぎ去った後 今 エレフの目の前で うつらうつらと船を漕いでいる老人に浜辺で拾われて以来 いったい 幾つの国々を歩き回っただろう・・・

この旅の間 天と地が ふたりにとっての学び舎であった

老人は エレフの知らない事を 沢山知っていて、道すがら 詩の形を借りて こと有るごとに教えてくれた



この世の始まりにあった 偉大なる神々の伝説

この地上世界を 尽きない戦で 我が物顔で蹂躙する支配者達の話  



それらは エレフにとって 大半が興味の無い どうでもいい事であったが、繰り返し 繰り返し 聞くうちに 自然に頭の中に入り 歳に似合わぬ程の知識を身に着けた少年に エレフは成長していた。

勿論 ふたりの旅路は けっして楽なものではなかったし、こうして すきっ腹を抱え 朝まで眠れぬ夜をすごす事も度々あったが エレフは今 幼い頃失った 久しぶりの人の温もりを感じていた。

あの忌まわしい嵐で 別れわかれとなったミーシャも一緒ならば どんなに幸せだろう?

(嗚呼 ミーシャ 君は何処に居るんだ)

こんなにも永い月日 老人と共に流離い探し求めているというのに 愛するミーシャの行方は ようとして知れなかった。





*****



夜半過ぎ ガタリ ガタリと 戸を揺らす音がした。


「なんだよ 鍵でも掛かってるのか?」



  ガタン!

戸口から 入ってきたのは 数人の屈強な 薄汚れた男達だった。

男達は ずかずかと火の近くに歩み寄り 部屋の中を見回すと チッと 舌打ちをして言った。


「なんだよ 明りが見えたから やって来て見れば 嵐を避けて 廃屋に入り込んだ爺さんと子供がいるだけか!」

「ほっほっほぅ それは お前さん方も一緒じゃろうて。いぶん濡れておいでのようだが 風邪でもひいたら事じゃ・・ まあ 火にでも あたりなされ」

どう見ても この者達は まともな者達には見えなかった。 大方 何処からか逃げ出してきた逃亡奴隷の成れの果てか 流離いのならず者といったところだろう。

「言われなくても そうさせてもらう積もりだ。 ところで 爺さん 何か食い物は無いのか?」

男達の兄貴分と思われる 右目の上から頬にかけて大きな傷跡のある男が言った 


「ホッ それはワシも聞こうと たった今 思っていたところじゃ」

 傷を歪めて 愉快そうに男が笑った。

「まったく とぼけた爺さんだぜ」



 傍らの一人の男が 進み出て言う

「おう おうっ あんまり舐めた口をきいていると後悔するぜ。 こちらの御方は この辺りじゃちっとは名の知れた 俺たち義賊の御頭シリウス様だ」

なるほど ろくでもない連中だとは思っていたが 義賊と言ってはいるが 所詮 ただの盗賊というわけか。 まぁ 人様に迷惑をかけて生きている事に 変わりはない・・・


「お師匠・・」

エレフが 小さな身体で間に入り 精一杯 師匠の盾になろうと身構える。 こう見えても エレフは少々無鉄砲ではあるが 師匠思いの 小さくとも勇敢な子供だった。


「なんだ 娘っ子かと思えば 男だったのか!」

普段から 自分の女っぽい容姿を気にしていたエレフは その言葉を聞いた途端に 男に掴みかかった。

「俺は 男だ!!」

「おっと!」

しかし 喧嘩慣れした男は 苦もなくエレフを捕まえてしまった。


「よく見れば 可愛い顔をしているじゃないか 少しばかりお相手を願おうかな」

男は 捕まえたエレフを 乱暴に部屋の隅に突き倒し、そこに有った親子の骨が カチャリと乾いた音を立て砕けた。


「やめておけ!」

右頬に傷のある男シリウスが 声を掛けたが 興奮した男の耳には入らないようだ。 エレフの衣が あっという間に剥ぎ取られ 白い肌が剥き出しになる。 必死に抵抗するが 子供の力ではどうにも成らない。

盛り上がった筋肉で覆われた身体付きを見るに どうやら盗賊になる前に奴隷だったのは間違いなさそうだ。 並の人間ならば 拳ひとつで殴り殺せそうな程の力を持っているだろう。

「ほれっ!」

ツカツカと歩み寄り そう言うと 老人は手にした杖を つき出した男の小汚い尻に突き立てた。

「ギャぁッ!」

突然の攻撃に 男は仰け反りもんどり打って倒れ 尻を押さえて痛みに転がりまわった。


「我が身を 抓って ひとの痛みを知れ・・というヤツじゃな ほっほっほっ」

「ああぁあ~ ヒデェ事しやがるな 爺さん」

シリウスが 転がりまわる男にあきれかえったような視線を 投げかけながら言った。

「こんな野郎でも かわいい子分だ 年長者は敬わなければならんが このまま済ますわけにもいかんな・・」


「どうすると 言うんじゃ? このか弱い老人に・・・」

シリウスは ニヤニヤ笑いながら 老人ににじり寄る・・

「少し 痛い目に遭ってもらわなきゃな」

目配せすると 残る子分二人が襲いかかってきた。

しかし 老人は ふらりと身体を揺らしただけにしか見えないのに 何故か二人の子分の四本の手は空を切り 老人を捕らえる事が出来ない。

スイッ・・と その間をすり抜け 振り向きざまに杖を 二度振り下ろした。

 コ・コンッ!

老人の杖は 目にも留まらぬ速さで正確に 二人の頭頂部の急所[天中]を捉えた。 白目を剥いて 堪らず折り重なって昏倒する二人の男

「ゲッ!?」

これもまた 目を白黒させて驚くシリウス

「ほっほっほぅ 確かに可愛いもんじゃのう お前さんの子分達は・・」


「爺さんっ! お前 何者だ!?」

後ずさりしながら 尋ねるシリウスだったが、生憎と唯一の出入り口の戸は壊れかけていて すぐに逃げられそうもなかった。

「ほっほっほぅっ! なあにくたばり損ないの旅の詩人 ミュロスという ただのジジイじゃよ」

「・・!?・ミュロス!!」

すいっ・・と 持ち上げたミュロスの固い樫の木で作られた杖が シリウスの脳天に振り下ろされた。





コンッ!





*****





「あたたたた・・」

男達が 気づいたときには 老人も子供も 姿は見当たらなかった。

ふらつく頭を抱え 何とか起き上がると 四人の盗賊はガタピシいう戸をこじ開けて表に出た。


嵐は過ぎ去り 明るい日差しが降り注いでいる



「兄貴・・ あのジジイ いったい何者だったんですかね」

子分の一人が 昨夜 シリウスが老人に投げ掛けた問いを 繰り返して言った。


「・・・西風のミュロス・・」

そうシリウスは呟いた。


「誰です・・そいつは?」

子分達に 背を向けたままシリウスは続けた。


「かつて各地を放浪する 凄腕の剣士がいた。 あらゆる国の王が その剣士を召し抱えようと試みたが

仕官することを嫌った剣士は全ての誘いを断り。 怒った王が その者を他国に渡すまいとして 軍勢を差し向けた事もあったらしいが たった一人で 大群の中を切り抜け、其れこそ風のように立ち去って行ったそうだ」



「まさか あのしょぼくれた爺さんが!?」

「西風のミュロス それが あの爺さんの昔の二つ名だ・・ いつの間にか その消息も聞かなくなってしまったが こんな所で出くわすとはな・・・」



あっさり伸されてしまったというのに 意外にも清清しい自分の気持ちに シリウスは すこしばかり驚きながら ふと傍らを見やると、 そこには 路傍に咲く小さな花が手向けられた 二つの真新しい墓標が立っていた。



【路傍に咲く花】   …… 了







以下 拍手コメントレスです。
>゚マ~プル。さんへ

いつも 拍手とコメントをありがとうございます。 とっても励みになります。
もしかして  ゚マ~プル。さんは オリオンさんが御好きなのでしょうか?

秋の澄み切った夜空をイメージしながら書いたので 星空についてのコメントは とてもうれしかったです。


私の頭の中に眠っている オリオンさんのネタも沢山有るので 頑張って描いて行きたいと思います。 気長にお待ち下さいww

゚マ~プル。さんのブログへのコメント 出来てなくてすみません。 日々の生活の中で あちこち歩きながら撮った写真が満載の ゚マ~プル。さんの人柄が偲ばれるブログですね。 とても素敵です。 ところで登録しないとこめんとできないのでしょうか?;;;;;;


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