残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


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世間一般の学生諸君も 長い夏休みが終わりますね。
やるべき事は 全てやり終わったかな?(^^;

 

さて、本日は 色々な意味で時帰呼はエネルギー切れの為 当ブログは 省エネ運転とします。


ふと書きたくなった、俗に言う『カモメのエレフ』の独りごとSS


(寂しいって 誰かに言えるだけ まだ良いのかも…)






【鴎の唄】


 空の青が 白っぽく霞んで見えた。

ふと見上げると、こんなに空は高かったんだなと思わせる雲が 天蓋に張り付いている。


肌に触れる風は 心地よく、日差しも少しばかり弱まって来たようだ。


肩に担いだ 棒っきれの先に括りつけた布切れの中の幾ばくかの荷物(ほとんどは、襤褸切れ同然の着古した衣服)


自分の持ち物といえば 其れだけ…

まったく身軽な一人旅

背負う物がないって言うのは こんなに気楽な物かと思う。


いや、自分に嘘を吐くのはよそう…

自分ぐらい 心に重荷を背負った人間はいないだろう…

いやいや…、其れは 自分自身の驕りというものか。


私以上に 苦しんでいる人も この蒼い空の下には 幾らでも居る筈だ。


其れでも、私には 重すぎる荷である事には違いない。



寂しい…


時々、そんな思いに囚われ こんな風に 無性に人恋しくなる事がある。



行く宛てがある訳でもないから、目の前に広がる白い砂浜の波打ち際を 打ち寄せる波に足首を濡らしながら ただ歩き続ける。


老人と別れたのは 幾日前の事だったか、何カ月前の事だったのか…、判然としない。


突然の師匠の別れの言葉は、何故だったのか?

ようやく帰り着いた故郷の小さな家の前のふたつの墓の前で流した涙の中で揺れていた赤黒い焔を見咎めた為だったのだろうか?

そう、老人とのふたり旅が 長く続くうちに忘れかけていた 怨嗟の焔


もちろん、妹を捜す事を諦めたわけではなかった。

ただ、ミーシャを見つけ出せたなら 二人きりで静かに暮らせれば其れで良いと思い始めていた

(まぁ、老人も一緒に居たいと言うのなら三人でも良かったけれど)

何気ない、ただ流れゆく毎日を 愛おしく思えるようになって来た筈だった。


そんな思いを 飲み込み一瞬で焼き尽くすほどの 突然燃え上った激しい焔



それも、こうして 独りきりになって歩き続けている今は 心の底でくすぶり続ける置き火のように感じるだけだ。


(いや、自分に嘘を吐くのはよそう…。 けして忘れられる筈はないのだ)


それでも、こうして 空を見上げ 老人と旅するうちに いつの間にか覚えてしまった 遥か昔に生き、戦い、死んで逝った英雄たちの叙事詩を 誰が聞くでもないというのに 独り語り、或いは詩歌の類を 無意識に口ずさむうちに、苛酷な運命に翻弄され、抗い、傷つき 死んで逝く この世に生きる死すべき者達の物語もまた 昇華され 天高く昇ってゆくように思えた。


空を見上げて 愛しい者の名を呼んでみる…


『ミーシャ』


今、君は 何処で どうしているのだろう…


空を舞う鴎に聞いてみても 何も答えてくれはしなかった。


    【鴎の唄】 …… 了
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