残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


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早朝の気温が下がり 暖かな布団の中から這い出すのが チョモランマ登頂の様に困難な季節となって来ましたww

そんな訳で本日 アップするのは 冬の空を見上げていて思いついたSSと言うのにも短すぎる短文です。

此処でちょっと おことわりを…

我が家の 彼の瞳は あの冬の仔と同じ色なんですよね。 其れが、私の浪漫なんです。




【初雪】




はらはらと

 真っ白な雪が 灰色の空の高い所から 降って来る。

「うう…!」

ぶるる…と身を震わせて ボロボロのコートの襟を かき合せ、少しばかりマシになったようだ…と 自分に言い聞かせた男は、恨めしそうに天空を見上げ ぼそりと呟いた。

「なにも、こんなに張り切る事は無いじゃありませんか…」

今年最初の雪たちは その男の一言を聴きつけたがごとく 更に勢いを増して降りしきり出した。

「おやおや、見かけによらず 意地悪な仔だったようですね 貴女は…」


ぴゅうっと 肌を刺すような冷たい風が吹き抜けると ばたばたと男のコートの裾が音を立てた。

灰色の雲が まるで羽根布団の様にはためいて
 そこから 舞い踊る羽毛のような大きな牡丹雪が堕ちてくる

「そうですね、これもまた 迷える者達にとっては 暖かな布団のように感じられるのかもしれません」

黒々と汚れた地上は 見る間に 真っ白な純白に染め上げられて逝き 降り積もる雪の羽根布団が すべての見るに値しない忌まわしいモノどもを覆い隠してくれた

世界の全てが 白に変わり 上下の感覚が判らないほどになると 自分の身体が宙に浮きあがり 風に舞う 一粒の雪の結晶になって何処か遠くへ 吹き飛ばされてしまいそうに思えた。   


「とは言え… 私も もう そんなに若いわけじゃないのだから この寒さは堪えます。
  出来れば もう少し手加減を お願いしたいものですね。 名も無いお嬢さん[Mademoiselle(マドモワゼル)]…


穴だらけの山高帽の鍔を 手にしたステッキで軽く押し上げると 男は 赤と青の瞳を天空に向けて呟いた。



【初雪】  ……了
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