残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


総閲覧者数: 現在の閲覧者数:

2017/09123456789101112131415161718192021222324252627282930312017/11


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
本日は ちょっとしたSSをアップします。

いつも拍手をありがとうございます。 とても励みになっております。
拍手返信は 明日いたしますので、しばしお待ちを……(^^*



【私信】



『拝啓…、と、かしこまった書き出しをしようかと思ったけれど 止めにしておきます。 それじゃあ僕らしくないから 昔の僕とは変わってしまったと思われてしまうかも知れないからね。

君と別れてから 何年の月日が流れただろうか? あれからいろんな事があったよ……。 とてもとても沢山の辛い事や苦しい事があったけれど 多くの人々が こんな僕に優しくしてくれた。 その御蔭で こんな僕でも此処まで歩いてくる事が出来たんだ。 言葉では言い表せられないくらいに感謝している。

けれど、君と別れなければいけなかった事は 今でも僕の心の中に大きな傷を残しているんだ。 けして癒えない傷をね……。

それでも、僕は歩いて行く。 君との幸せな日々は もう二度と取り戻す事など出来ない事は判っているけれど。

それでも、立ち止まる事無く 僕は歩いて行く。

そして いつか終わりがやって来て、もう一度君に出会える時が来たら 「僕は がんばったよ」って 笑って君に報告できるように……。

さぁ、そろそろ行かねばならない。 多くの仲間たちが待っているから。

この戦いに生き残る事が出来たなら、また君に手紙を書くよ。

   愛しいミーシャへ


           エレフ拝  』


コキコキと肩を回しながら ふうっっと溜息をついていると 後ろで書きものをしていたオルフが手を止め言った。

「珍しいですね、手紙なんて 誰に宛ててですか?」

そこまで 口にして 急にオルフが青い顔をして口を噤んだ。 私に 手紙を書くような肉親が居ない事を思い出したんだろう。

「いや…、我が軍に協力する諸侯への通信ならば 私に任せて下されば……」

「ああ、気にするな。 これは自分に対する覚書みたいなものだ。 しかし、たまに筆をとると肩が凝って仕方ないな」

そう言って 私が微笑むと オルフもまた安堵したかのように そっと微笑んだ。 どうも この金髪の参謀にはいつも余計な神経を使わせてしまうようで 申し訳なく思ってしまう。 だが……、そうだな、いつかオルフには 何もかも話してやろう。 そして、私を支えてくれて来た この善き友人に 私がどれ程感謝しているのかを伝えよう……。

私は、書き上げたミーシャへの手紙に封をすると それを 宛名書きの無い古びて黄ばんだ封書が何通も収められた小さな箱の中にそっと仕舞込んだ。



   【私信】……了
スポンサーサイト
 コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。