残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


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こんにちは(^0_0^)陽気が良いのに 朝からずっと文章を書いていました。

けっこうな 長さになっているのに まだまだ終わりは見えません。

今回アップするのは またもや【星屑】の続きです。 一応、簡単に説明させて頂ければ、 このお話しは 去年の9月のサンこそ名古屋で配布した【秘密】の続きのお話しです。

とはいえ、時間軸が連なっているというだけで 独立したお話しとして楽しめるように書いている心算ですから よろしくお願いします。


内容的には 身分を隠したある男が レスボスの見習い巫女ミーシャを訪ねるお話しです。 いろいろと矛盾も有りますが そこは いつも通りの時帰呼クオリティですので、生暖かい眼で見守りつつ、宜しければ 以下へお進み下さい。





 【星屑】その5 


「如何なされましたか?」

未だかつて 見た事の無い 偽名の男アルギュロスの奇妙な表情を認めたゾスマは 彼が それを好まぬと知りながら 思わず詮索めいた問いを投げ掛けてしまった。

「いや、少し 昔の事を思い返していただけだ」

叱責を受けるとばかり思っていたゾスマは 偽名の男に似つかわしくない言葉に ますます心がざわめいたが これ以上の詮索は自分の寿命に関わるだろうと口に出すのを止めにしておいた。

「言い付けの通り 既に手筈は整え、 いつでも彼の者を拉致する事も、 場合によれば 沖合に停めた船より速やかに兵を上陸させ レスボス全島を征圧する事さえ可能でございますが…」

「ふむ、」

確かに、兵力を持たぬレスボスを落とす事など 彼が所有する三段ガレー船の私兵300人もあれば 造作も無いだろう。 しかし…
「今はまだ、その時期ではない。大義も無く 聖域であるレスボスに手を出せば 数年前の愚かな事件同様 各国からの介入を受ける事になる」

男が 今回レスボスに遣って来たのは、彼が目指す『真の大義』の為ではなく 至極個人的な いわば『感傷』に基づく事などと ゾスマに話す分けにはいかなかった。 いや、ひそかに彼の胸中に秘めた大義を成す為に全く必要無い行動だとも言えなかったのだが…。

「私が 直接 その娘に会ってみようと思う」

またもやの、思わぬ男の言葉に ゾスマは驚いた。

「レスボス内部に 予め手引きをする者を用意してありますから 勿論可能ですが、なにも御自らが…」

「ゾスマ!!」

突然の男の怒気に 身震いを覚えたゾスマだったが 不思議とこの方が安心出来ると思った。 これでこそ、『アルカディアの赤き毒蠍』と謳われし方だと……。

「これは…、僭越でした。直ちに手筈を整えます」

身を翻し 駆け去るゾスマの背を見送りながら 男は考えた。

気をつけねばなるまい。たしかにゾスマは、充分信頼に足る古参の部下ではあるが 今は 我が義理の弟レオンに使える男だ。弱みを見せれば いつ何時 私を裏切らぬとは限らぬのだからな。 そう…、あの全幅の信頼を寄せていたポリュデウケスのように…。

†††††††

天空を流れるミルクの河、巡る黄道12宮が暗示する死す可き者の避けられぬ未来。

だとしたら、忌避出来ぬ運命を告げる星を読む事に どれほどの意味があるのだろうか?

数年前に ほとんど失ってしまった視力の代わりに テーブルの上には フィリスさんが 天の星々の位置を示す磨き上げた石を配置してくれていたから 何の差し障りも無くミーシャにも 刻一刻と変化する星を読む学習をする事は出来たのだが、 懸命に教えてくれる彼女に申し訳なく思いながらも アルテミシアが いまひとつ 星読みの巫女となる為の学習に気乗りしないのは つい そんな風に考えてしまうせいであった。

「ミーシャ!」

物思いに沈み 手にした石を玩ぶアルテミシアに 普段のフィリスらしからぬ苛ついた叱責の声が飛んだ。

「ごめんなさい」

肩を竦めアルテミシアは 素直に謝った。 それにしても どうした事だろう? たいして熱心でもない私に いつも根気よく教示してくれるフィリスさんが これほど感情を表に出すのは珍しい。 そういえば、開け放たれた窓からの夜風も いつもと違う匂いを感じさせている。

「どうやら ミーシャさんも疲れているようだから、今日は この辺りで止めておきましょう」

そう言い残すと フィリスは 就寝の挨拶もそこそこに ミーシャの私室から立ち去ってしまった。


レスボスの夜は静かだ。 昼間の賑やかな港や人生や国の行く末という道に迷い まだ見ぬ未来を知る為に絶える事無く訪れる人々も無く、遠くから清らかな歌声が微かに聞こえて来るだけだ。 そう、あれはソフィア様の最も近くに使える六人の巫女さま達の歌声。
今宵もまた、避けられぬ未来を告げる託宣が 無慈悲なる神から授けられているのだろう。


カサリッ…と 草擦れの音をさせ 何者かの気配がした。 先程まで居たフィリスさんには 何の関心も示さず眠りこけていた黒銀のプルーが うっすらと目を開け 物音のする方に向かって小さく吠えた。 それは見知らぬ侵入者に対する威嚇と言うより 主であるミーシャへの忠告のように聞こえた。


……to be continued
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