残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


総閲覧者数: 現在の閲覧者数:

2017/04123456789101112131415161718192021222324252627282930312017/06


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
おはようございます(^0_0^)

めちゃめちゃ久しぶりの更新で恐縮しまくりの時帰呼です。

長い長いと思っていたGWも あと一日、その間 動物園に行ったり、居酒屋に行ったり、昼までゴロゴロしたり、大雨の中 箱根の峠を越えたり、小夜の中山で夜泣石を見て来たりしました。

丸子の宿の蕎麦 美味しかったな~(~q~)


遊んでばかりいたので 少ししか書いてないけれど 【星屑】の続きをアップしますので 宜しくお願いします。






【星屑】 その8


ガサリガサリと草擦れの音

季節は秋も深まり 間もなく冬の足音が聞こえて来る頃。 アルカディア国境を形成する雷神ヴロンディスの山々に 一団の兵士達が分け入った。

雷神の住む聖域を侵す男達を追い返そうとするかのように 稜線の彼方から 凍える北風が吹つけていたが そんな事を気にかける彼等ではなかった。

そう…もちろん、いくつもの戦場において命のやり取りをしてきた彼等は、神を蔑ろにする心算は毛頭無かったが 今は神罰を畏れる謂れは無かった。何故ならば、彼等には、かつて果たされなかった神託を成就するという目的が有ったからだ。

黙々と歩を進める屈強な男達を率いるのは、その中でもずば抜けて大柄な体格をした赤髪の男だ。 険しい表情をした彼の手には大振りの剣が握られ 行く手を遮る森の下草や枝葉は、瞬く間に一刀の元 切り払われてゆく。 本来なら身分有る彼が このように先頭に立つ事など戦場以外では有り得なかったが 胸の内に燃える怨嗟の焔が 否応なしに彼を駆り立てていたのだ。


陽が傾きヴロンディスの山々の稜線を赤く染める頃 ようやく彼は、木々の向こうに微かな人家の明かりを見つけた。

すると赤髪の男は 軽く手を振り 付き従って来た男達に無言で待機の命令を下すと、一人 歩を進めた。 彼の小屋に住む男は 並の男ではない。用心の為に配下の者を 後に残し 足音を潜めてはいるが 既に、こちらの気配を察しているのではないかと 赤髪の男は案じていたのだ。

痛い程、キリリと大剣を握り絞めた指の間からハタハタと鮮血が滴り落ちる。

私は、確かに彼の男の手を… 心を掌握していたはずだった。

彼の男だけが、世界で唯一 我が理想を理解し、 自身もまた 彼の男を世界で唯一信頼していた…というのに……


赤髪の男の鼻孔に 小屋から漂う夕餉の匂いが届き 談笑する聞き覚えの有る男女の声が聞こえて来た。

途端に 赤髪の男の顔が夕日よりもなお紅潮し その瞳が憤怒に燃える焔の色に染まった。

なんたることだ! 歴戦の勇者ポリュデウケスともあろう者が 自身に害を為す者の接近に まったく気付かずにいるとは! ヴロンディスの双璧とまで謳われた男の刃は 争いを避け、平和という名の毒に侵されている内に こうも錆び付いてしまったのか?

赤髪の男スコルピオスの胸中に言いようもない怒りと哀しみが渦巻いた。 よかろう、ならば 我が手で その刃を磨ぎ直し 鈍く銀色に光る輝きを取り戻してやろう!

そして 我が思い描く理想国家建設の妨げとなるモノドモを二人デ事々く薙ギ倒シ 血ニ染メ大地に切り伏セテヤルノダ。


そう、ソノ為にハ ナンピトたりトも……

『我ガ行ク道ヲ妨ゲル事ハ赦サヌ』

スコルピオスは、かつての剣技の師にして朋友 そして数多の戦場を共に駆け抜けた戦友ポリュデウケスという名の一振りの軍刀を 再び手に入れる為に 小屋の扉を叩き割るように押し開くと雷鳴の如く叫んだ。

「見つけたぞ!ポリュデウケス!!」

その時、彼の瞳には先程までの燃え上がるような怒りの色は失せ、 深淵で渦巻く泥濘のごとき黒々とした奇妙な歓喜の光りが宿っていた。






『ソウダ、己ノ内ニ潜ム衝動ニ従ウガイイ』

何処かで 誰かが囁く声がした…。




 ………to be continued.
スポンサーサイト
 コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。