残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


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今は、文章を書くしか出来る事が無いのに文章が書けなくて…

少ししか書けてないですけれど【星屑】の続きです。






【星屑】その9

ガバリと跳ね起き ズキズキと痛むこめかみを押さえ スコルピオスは、一声唸った。

酷い頭痛だ。 まるで早鐘のように打ち続ける鼓動に合わせ 頭を戦鎚で殴り付けるような痛み。 あれから10年以上経つというのに、この悪夢を何度見ただろうか? その度に襲われる痛みは 癒えるどころか 歳を追うごとに益々激しくなって来ているように思える。

ふんっ、この私が、後悔しているとでも言うのか?(馬鹿なッ!)無理矢理、痛みを追い払うように頭を振るスコルピオスの横から そっと一杯の水が差し出された。

スコルピオスは、井戸から汲んで来たばかりだと思われる ひんやりとした水に満たされた器を受け取ると一気に喉へ流し込んだ。すると 一瞬 こめかみに鋭い氷の刃が捩り込むように感じられたが、あれほど凄まじかった痛みが 徐々に去ると、まるで霧が晴れるように消え去ってしまった。

「ありがとう」

スコルピオス… いや、今はアルギュロスと名乗る男は 大きく息を吐き出すと 器をミーシャに返しながら礼を言った。

「お礼なら、レスボスの神に…。それは、霊験あらたかなアストレイアの井戸から汲み上げて来た霊泉なのですから」

「君は そんな事を信じているのか?」

スコルピオスが いらついたような声で問い掛けるとミーシャは事もなげに返した。

「レスボスの巫女である私に そんな問いをするのですか?」

ミーシャが そう問い詰める眼差しに スコルピオスは思わす目を伏せ思った。

どうも いつもの自分とは勝手が違うようだ。女に見詰められたくらいで この有様とは…。

「ふふふ、冗談ですよ。私だって これが只の井戸水だということくらい知っています。 でも、この霊泉を 求めて遥々レスボスまで遣ってくる方々の信心の力が この只の水に力を与えているのも事実…、現に 幾人もの病を得た人々が癒されるのを見て来たのですから」

「見た…?」

スコルピオスが 思わず声を漏らすと ミーシャの足元に付かず離れず寄り添っていた黒犬が低く唸った。

「プルー!」

するとたちまち 黒犬プルーは、尻尾を垂れ その場に伏せる。

「ごめんなさい、この仔に悪気はないの…。 そうね、正確には聞いた話しだけれど 確かに 病に悩む人々の寄り処になっているのよ。 天空を巡る星々を読み 人の行く末を指し示すのも そう…。多くの人々の心の寄り処となるのが レスボスの大切な神より賜れし役割なの」

皮肉なものだなとスコルピオスは思った。 そのレスボスの神託により この娘は、このような憐れな境遇に堕ちているというのに。

「やくたいもない、人は本来 ナニモノにも頼らず生きて行かねばならぬもの、そのようなあやふやなモノに縋らねばならぬとは 憐れなものだ」

スコルピオスの言葉に、再びプルーがピクリと耳を動かし立ち上がろうとしたが ミーシャが黒銀の毛並みをそっと撫でると元のように大人しく伏せた。




……to be continued.
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