残念な時帰呼が綴る 残念な感じのON>OFF生活


総閲覧者数: 現在の閲覧者数:

2017/04123456789101112131415161718192021222324252627282930312017/06


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

今は、文章を書くしか出来る事が無いのに文章が書けなくて…

少ししか書けてないですけれど【星屑】の続きです。






【星屑】その9

ガバリと跳ね起き ズキズキと痛むこめかみを押さえ スコルピオスは、一声唸った。

酷い頭痛だ。 まるで早鐘のように打ち続ける鼓動に合わせ 頭を戦鎚で殴り付けるような痛み。 あれから10年以上経つというのに、この悪夢を何度見ただろうか? その度に襲われる痛みは 癒えるどころか 歳を追うごとに益々激しくなって来ているように思える。

ふんっ、この私が、後悔しているとでも言うのか?(馬鹿なッ!)無理矢理、痛みを追い払うように頭を振るスコルピオスの横から そっと一杯の水が差し出された。

スコルピオスは、井戸から汲んで来たばかりだと思われる ひんやりとした水に満たされた器を受け取ると一気に喉へ流し込んだ。すると 一瞬 こめかみに鋭い氷の刃が捩り込むように感じられたが、あれほど凄まじかった痛みが 徐々に去ると、まるで霧が晴れるように消え去ってしまった。

「ありがとう」

スコルピオス… いや、今はアルギュロスと名乗る男は 大きく息を吐き出すと 器をミーシャに返しながら礼を言った。

「お礼なら、レスボスの神に…。それは、霊験あらたかなアストレイアの井戸から汲み上げて来た霊泉なのですから」

「君は そんな事を信じているのか?」

スコルピオスが いらついたような声で問い掛けるとミーシャは事もなげに返した。

「レスボスの巫女である私に そんな問いをするのですか?」

ミーシャが そう問い詰める眼差しに スコルピオスは思わす目を伏せ思った。

どうも いつもの自分とは勝手が違うようだ。女に見詰められたくらいで この有様とは…。

「ふふふ、冗談ですよ。私だって これが只の井戸水だということくらい知っています。 でも、この霊泉を 求めて遥々レスボスまで遣ってくる方々の信心の力が この只の水に力を与えているのも事実…、現に 幾人もの病を得た人々が癒されるのを見て来たのですから」

「見た…?」

スコルピオスが 思わず声を漏らすと ミーシャの足元に付かず離れず寄り添っていた黒犬が低く唸った。

「プルー!」

するとたちまち 黒犬プルーは、尻尾を垂れ その場に伏せる。

「ごめんなさい、この仔に悪気はないの…。 そうね、正確には聞いた話しだけれど 確かに 病に悩む人々の寄り処になっているのよ。 天空を巡る星々を読み 人の行く末を指し示すのも そう…。多くの人々の心の寄り処となるのが レスボスの大切な神より賜れし役割なの」

皮肉なものだなとスコルピオスは思った。 そのレスボスの神託により この娘は、このような憐れな境遇に堕ちているというのに。

「やくたいもない、人は本来 ナニモノにも頼らず生きて行かねばならぬもの、そのようなあやふやなモノに縋らねばならぬとは 憐れなものだ」

スコルピオスの言葉に、再びプルーがピクリと耳を動かし立ち上がろうとしたが ミーシャが黒銀の毛並みをそっと撫でると元のように大人しく伏せた。




……to be continued.
何かが失われたとしても それが存在したという歴史は改竄出来るものではない。

数え切れぬ魂が無惨にも失われ 拭い去れぬ涙と血が流された。

それが 真の歴史というものだ…


君は 何を望むと言うのだい? 幾星霜もの永く愚かで無意味な月日が育んできた物は 人々の心に刻まれた愚にもつかない愛という名の傷痕が流す血の大河…
その流れに抗うことが どれほど無駄かと知りながら 誰もが押し流されて逝く

なんと滑稽な眺めだとは思わないか?


ククク…、そう、その眼だよ。 私は 今まで どれほど多くの君と同じ眼をした若者を見て来ただろうか……?


愚かな事だ。 既に歴史は黒き書に記されているというのに…。


だが、よかろう! もし君が 神に抗う勇気を持つ者ならば いつでも受けて立とう。 今まで無意味に倒れた愚か者とは違うということを示してみるがいい!




お前は間違っている。真の愚か者とは、過ちを犯す者のことじゃない! 過ちと知ってなお正そうとしない者のことを言うんだ!



そう、その眼だ…! 君もなかなか良い眼をするようになったものだ。君の瞳の色は、私に昔の憎しみを思い出させてくれる。
おはようございます(^0_0^)

めちゃめちゃ久しぶりの更新で恐縮しまくりの時帰呼です。

長い長いと思っていたGWも あと一日、その間 動物園に行ったり、居酒屋に行ったり、昼までゴロゴロしたり、大雨の中 箱根の峠を越えたり、小夜の中山で夜泣石を見て来たりしました。

丸子の宿の蕎麦 美味しかったな~(~q~)


遊んでばかりいたので 少ししか書いてないけれど 【星屑】の続きをアップしますので 宜しくお願いします。






【星屑】 その8


ガサリガサリと草擦れの音

季節は秋も深まり 間もなく冬の足音が聞こえて来る頃。 アルカディア国境を形成する雷神ヴロンディスの山々に 一団の兵士達が分け入った。

雷神の住む聖域を侵す男達を追い返そうとするかのように 稜線の彼方から 凍える北風が吹つけていたが そんな事を気にかける彼等ではなかった。

そう…もちろん、いくつもの戦場において命のやり取りをしてきた彼等は、神を蔑ろにする心算は毛頭無かったが 今は神罰を畏れる謂れは無かった。何故ならば、彼等には、かつて果たされなかった神託を成就するという目的が有ったからだ。

黙々と歩を進める屈強な男達を率いるのは、その中でもずば抜けて大柄な体格をした赤髪の男だ。 険しい表情をした彼の手には大振りの剣が握られ 行く手を遮る森の下草や枝葉は、瞬く間に一刀の元 切り払われてゆく。 本来なら身分有る彼が このように先頭に立つ事など戦場以外では有り得なかったが 胸の内に燃える怨嗟の焔が 否応なしに彼を駆り立てていたのだ。


陽が傾きヴロンディスの山々の稜線を赤く染める頃 ようやく彼は、木々の向こうに微かな人家の明かりを見つけた。

すると赤髪の男は 軽く手を振り 付き従って来た男達に無言で待機の命令を下すと、一人 歩を進めた。 彼の小屋に住む男は 並の男ではない。用心の為に配下の者を 後に残し 足音を潜めてはいるが 既に、こちらの気配を察しているのではないかと 赤髪の男は案じていたのだ。

痛い程、キリリと大剣を握り絞めた指の間からハタハタと鮮血が滴り落ちる。

私は、確かに彼の男の手を… 心を掌握していたはずだった。

彼の男だけが、世界で唯一 我が理想を理解し、 自身もまた 彼の男を世界で唯一信頼していた…というのに……


赤髪の男の鼻孔に 小屋から漂う夕餉の匂いが届き 談笑する聞き覚えの有る男女の声が聞こえて来た。

途端に 赤髪の男の顔が夕日よりもなお紅潮し その瞳が憤怒に燃える焔の色に染まった。

なんたることだ! 歴戦の勇者ポリュデウケスともあろう者が 自身に害を為す者の接近に まったく気付かずにいるとは! ヴロンディスの双璧とまで謳われた男の刃は 争いを避け、平和という名の毒に侵されている内に こうも錆び付いてしまったのか?

赤髪の男スコルピオスの胸中に言いようもない怒りと哀しみが渦巻いた。 よかろう、ならば 我が手で その刃を磨ぎ直し 鈍く銀色に光る輝きを取り戻してやろう!

そして 我が思い描く理想国家建設の妨げとなるモノドモを二人デ事々く薙ギ倒シ 血ニ染メ大地に切り伏セテヤルノダ。


そう、ソノ為にハ ナンピトたりトも……

『我ガ行ク道ヲ妨ゲル事ハ赦サヌ』

スコルピオスは、かつての剣技の師にして朋友 そして数多の戦場を共に駆け抜けた戦友ポリュデウケスという名の一振りの軍刀を 再び手に入れる為に 小屋の扉を叩き割るように押し開くと雷鳴の如く叫んだ。

「見つけたぞ!ポリュデウケス!!」

その時、彼の瞳には先程までの燃え上がるような怒りの色は失せ、 深淵で渦巻く泥濘のごとき黒々とした奇妙な歓喜の光りが宿っていた。






『ソウダ、己ノ内ニ潜ム衝動ニ従ウガイイ』

何処かで 誰かが囁く声がした…。




 ………to be continued.
さらに【星屑】の続きです。 此処まで読んで下さった方にはお分かりでしょうが このお話しはスコピー⇒ミーシャの片思いのお話しです。


切ないストーリィに書き上げられたら本望です。


[【星屑】その7]の続きを読む
【星屑】の続きです。

スコ…、いや アルギュロスの性格が ちょっと本編のあの人とは違いますね(^^;
[【星屑】その6]の続きを読む
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。